余命10年(小坂流加)
小説紹介の第十二回目は小坂流加の作品『余命10年』です。
内容紹介(文芸社 書籍紹介より)
20歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。笑顔でいなければ周りが追いつめられる。何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。涙よりせつないラブストーリー。
死ぬ準備はできた。だからあとは精一杯に生きてみるよ。
10年後に自身が死ぬことを告げられたひとりの人間の物語です。10年という長いようで短い時間をどう生き、何をしたいのか。本作の主人公が経験した悲しみや怒り、喜びや愛情を感じ、命について考えさせられる作品です。
著者は悲しいことに、もうこの世にはいません。でも、その人が残した思いは残り、他の人に伝えることができます。本作から、作者の思いを感じてみてほしいです。
今年の12月に新しい作品が出版されます。本作と一緒に手に取ってみてはいかがでしょうか。
以上